馬柱の見方 一次的思考に陥るな
第一回は馬柱についてと一次的思考を解説していきます。
馬柱について
馬柱とは、馬の前走以前の成績などの多くの情報をコンパクトにまとめたもの。競馬の予想をする人は、新聞やJRAVAN、ターゲットなどで、見たことがあるはずです。
はじめに強調しておきたいこと。それは馬柱の内容が、オッズにだいぶ影響をあたえているということ。
これは多くの人が納得できるはず。umajin.netで実施された『競馬予想をするときに重視するファクター』のアンケート結果では、毎年3位以内に過去の成績というファクターが入ってきているということ。
そして、体感的にも、少し理解できるはずです。例えば、2歳重賞や3歳重賞など、前走1着の馬が多く出走してくるレースだと難しく感じます。(下の出馬表は2020年ラジオNIKKEI賞優勝バビット 競馬がいど新聞さんから引用)

また、大穴の馬が馬券圏内にきたとき、私たちは『こんな馬がなんでこれるのか。』と思うでしょう。省略せずにセリフを言うと、『こんな着順だった馬がなんでこれるのか』でしょうか。(下の出馬表は2020年きさらぎ賞優勝コルテジア 競馬がいど新聞さんから引用)

私たち馬券購入者は、自分が気づかないところで過去の成績、というより過去の着順に重きを置いた予想をしているのです。それも無意識のところでです。
一次的思考について
ここで、『一次的思考』を導入します。一次的思考とは、「単純でそこが浅く、誰にでもできる思考」とします。
例えば、前走の着順が良かったから、今走も期待できる。調教過程が前走のときよりいいから、調子が上がってきてる。このような思考が例にあげられます。
この一次的思考は不確定要素の多い競馬において、あらゆる場合を想定しておらず危険な思考だといえます。
一方で、「奥が深く、複雑で入り組んでいる思考」を二次的思考といいます。
例えば、前走の着順は良かったが、前走いきなり逃げて、前残りの展開が向いただけかもしれない。今走の他馬との力関係や隊列、展開を考えた方が良さそう。
調教過程が前走のときよりいいが、以前も休み明けの時は好タイムを出していた。また、調教当日の馬場状態の把握、そして他の馬の調教タイムと比べる必要がありそうだ。
例のように、二次的思考を通して、馬柱を見ることが必要になります。
一次的思考に陥る例
破産や破滅のきっかけはこの一次的思考によるものだと考えます。特に資金面で困窮すると、この一次的思考に陥りやすいです。
また、名馬と呼ばれる馬な、ヒーローな馬、騎手に対してもこの一次的思考は働くことがあります。
(2019年有馬記念9着アーモンドアイ、2019年凱旋門賞2着エネイブルや、あなたの大好きな騎手など。)
一次的思考に陥らないためには
①資金に余裕をもつこと。
②いつでも、疑いをもつこと。
③1も2も無理な場合、余剰資金で機械に予想させること。
これらの①②③が必要だと考えます。本講座の受講生は、競馬予想を自らするために、多くのデータやファクターを通して予想を組み立てていることでしょう。よって、『豊富な知識をもつ』という内容は外しました。
二次的思考の役割
ここまで述べた思考方法に、より具体的な視点を与えます。『前走まで連勝中だから、今走も馬券内にはくるはず』が一次的思考だとします。なんらかの二次的思考を働かせて、『前走まで連勝中の馬が今走1着にくるとは限らないから、馬券圏外になる可能性を考えてみよう。』という思考になります。これはギャンブルにブレーキをかける役割をもつわけです。
では、あなたはどんなときにギャンブルをするのでしょうか?儲けたいからギャンブルをするのだとしたら、儲けるためには配当を得るしかありません。つまり、鍵になるのはオッズになります。次の講座ではオッズの考え方について議論しましょう。
まとめ
(1)馬柱を一次的思考でみてはいけない。
(2)追い込まれたり、陶酔すると一次的思考に陥る。
(3)一貫して懐疑的になり、二次的思考でブレーキを踏むこと。
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